調理師免許の取り方や受験資格について

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私も取得した調理師免許の取り方などについて解説します。(2018年、調理師技能技術センターが行う調理師免許試験を元に記事を書いています。該当しない県の試験は内容がことなることがあります。)

詳しい情報は調理師試験指定試験機関であるこちらを確認してください。

調理師試験 ‐ 公益社団法人調理技術技能センター

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調理師の資格

調理師になったらなにができるかと言うと正直な話なにもできません。なぜかと言うと調理師の資格は名称独占と言う資格で名称独占とは、その資格の名前を自身が名乗れる資格という意味です。要は「私は調理師です」と発言できる資格と言うことです。つまり調理師以外の者が調理師と名乗ると罰せられます。名乗るだけの資格なので実技試験がないというわけです。ちなみにもう一つの資格として業務独占があります。これはその資格の業務を資格が持っていない者がしてはいけないと言う資格で一般的な資格のイメージはこの業務独占だと思います。有名な業務独占は医師や看護師などがありますが名称独占ではないので資格を持っていなくとも医師と名乗っても法律違反にはなりません。そのため「家の医師」や「ドクター(商品名)」なども名称が使用できます。

あまり意味のなさそうな調理師ですが、私が思う最大の特典は飲食店開業に必要な食品衛生責任者の資格がついてくるところだと思います。この資格は誰でも取ることができますが調理師免許についてくるのであれば調理師免許を取ってしまったほうが楽にとれると思います。

就職、転職に有利

説明した通り調理師免許は名乗れるだけの免許です。実際に持っていても役に立つというほどのものではありません。しかし職につくときは違います。やはり一般的な調理師のイメージは調理のプロ、料理がうまい人とされているので食に関係する仕事では必要なことがあります。大手の工場などでは調理に関わる部門では調理師免許が採用の必須条件なこともありますし、給料自体はほぼ変わりないと思いますが採用時に持っている人と持っていない人が同じ能力ならば普通は調理師免許を持っているほうを採用するでしょう。私ならそうします。

このような感じで未来のある若者であれば取れるなら取った方がいいでしょう。

取得方法

調理師免許の取得方法を簡単に説明すると

  1. 厚生労働大臣の指定する調理師養成施設(学校)に1年以上通い卒業すれば試験を受けなくても免許申請するだけで取得できます。
  2. 受験資格の条件に該当して、受験手数料を払い、指定の書類を提出した後に指定日時に試験を受けて合格し、手数料と書類を持って保健所に免許申請をして取得します。

1については学校に通うだけなので説明は省きます。2について詳しく書いていきます。

願書出願日、試験日

願書出願期間、試験日は県により異なります。県によっては年に2回試験があるところもあります。関東では神奈川県が年に2回試験があり例年7月と11月に試験があります。

2018年度調理師技能技術センターが行う調理師免許試験の場合は

受験申請用書類の配布期間 平成30年5月14日(月) ~ 6月25日(月) 

願書出願期間 平成30年5月14日(月) ~ 6月25日(月) ※当日消印有効

試験日 平成30年11月30日(金) 10時

願書出願期間から試験日までは約半年くらいあります。

受験資格

受験資格ですが学歴と職歴の二つしかありません。

  1. 学歴は中学校卒業以上であることで最終学歴がなんであれ構いません。
  2. 職歴は調理師法施行規則で決められた施設で2年以上調理業務をしているです。

これの施設は飲食店はもちろん、給食施設などある程度の量の調理をしているところであれば対象になります。ただし調理業務をしていなければ認められません。また菓子やケーキ、パンの製造は製菓にあたるので調理業務として認められません。

パート・アルバイトで調理をしている場合は、週4日以上かつ1日6時間以上の勤務が必要です。なお高校生のバイトは調理業務として認めらていないので卒業後に2年間働く必要があります。(この条件は県により多少違いがあるようなので微妙な方は県の条件を調べてください。)

例えば飲食店で最初は調理をしていたが途中でホールの仕事になった場合は調理をしていた期間しか調理業務として認められません。また採用時にホールや栄養士、ヘルパーなどで採用されていると実務が調理であっても調理業務として認められません。このような場合は店の責任者に調理師免許を取る旨を説明して契約の変更をしてもらい2年間働く必要があります。

この2年以上の期間は願書提出の時に満たしている必要があるため試験日の約半年前である願書提出期限日までに2年間勤務となっていなければなりません。

調理師免許を取る場合はこの条件が一番ハードルが高いと言えますが逆に言えばこのハードルさえ超えてしまえば免許が取れたようなものです。

受験手数料

県により料金が変わりますが6,000円から7,000円程度です。

あとは手数料ではありませんが返信用の受験票添付用封筒に貼る切手と書類提出のための切手と簡易書留代が必要です。(書類の提出が郵送不可の県もあります。)

提出書類

提出書類は次の通りです。

  1. 受験申請用書類
  2. 切手
  3. 卒業証明書
  4. 写真
  5. 調理業務従事証明書
  6. (印鑑登録証明書)
  7. (戸籍抄本)
  8. (住民票等)

・受験申請用書類は保健所などで期間中に手に入ります。(県により期間に違いがあります。)専用の封筒の中に書類の説明と必要書類が一式入っているので説明を読み、書類に必要事項を記入しておきます。

また封筒の中に受験手数料の払込用紙があるので銀行などで料金は払った後の領収書も必要になります。

・切手は先ほど説明した返信用のためのものです。

・卒業証明書は中学卒業以上のものであれば最終学歴でなくても構いません。大学などはホームページ等で卒業証明書の発行を案内しているのでわかりやすく手続きに慣れているので早く終わり、受付もネット上でできるところもあります。高校は有名であるか大きなところでないと対応が遅く、案内や受付も直接行かなければ何もできないことがあります。有名高や大きな高校は大学と同じような対応のところもあります。大学も高校も基本的には500円以下の手数料がかかります。私は住んでいるところから一番近いという理由から中学校の卒業証明書を発行しましたが、中学の場合はあまり卒業証明書を発行する人がいないので電話で問い合わせるといろいろと時間がかかります。しかし理由を話せば発行はしてもらえるので大学高校が遠いならば問い合わせてみてください。また他と違って無料で作ってもらえました。

・写真はサイズが決まっていますが一般的な証明写真のサイズなので余っていればそれを使えばいいと思います。一応撮ってから3ヶ月以内と決められていますが見た目が変わっていなければ大丈夫です。ない場合は今はスマホで撮ってコンビニで現像するサービスも安くあるので専用の機械で撮るよりは安く撮れます。

・調理業務従事証明書はネット上に公開されている様式をダウンロードしてお店の経営者に作成してもらいます。(書き方の説明も書いてあります。)

 

調理業務従事証明書のリンク・印鑑登録証明書、戸籍抄本、住民票等は特別な場合に必要になる書類です。お店が自営業だったり、苗字が変わっていたり、外国籍などの場合です。
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試験

こちらも県によって変わりますが今年の調理師技能技術センターが行う調理師免許試験の場合は平成30年10月13日(土) 13時30分 ~ 15時30分です。

試験科目は公衆衛生学、食品学、栄養学、食品衛生学、調理理論、食文化概論で全60問、マークシートによる四肢択一方式です。

試験について詳しくはこちらで解説します。

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合格後

合格発表は今年は平成30年11月30日(金) 10時にホームページに公開されます。

公益社団法人調理技術技能センター

同時に合格者にだけ合格通知書が発送されます。

受験票に書かれた受験番号が合格者のみ順番に羅列されています。実際私は見間違えて試験に落ちたと思いましたが2日後合格通知書が送られてきました。

合格通知書が送られてきたら

  1. 合格通知書
  2. 麻薬等の中毒者かどうか診断した医師の診断書
  3. 本籍表示のある住民票
  4. 手数料
  5. 印鑑
  6. 返信用切手

1〜6を持って住んでいる県にある保健所で免許の申請をしにいきます。申請をすると2週間程度で免許ができたお知らせの返信がきます。そしたら保健所に行き本人確認をすると賞状型の免許証がもらえます。これで晴れて調理師として働くことができます。

費用

費用はざっと見て1万円程度で取ることができます。あとは試験を受ける場所の交通費や医師の診断書代で費用が変わっていきます。

まとめ

ざっと調理師免許の取り方について書きましたが一番の難関は2年間調理で働くことだと思います。試験は比較的簡単なので受験資格を満たしていれば受けてみてはいかがでしょうか。

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