毎日ハチミツをヨーグルトに混ぜて食べてるのですが家にあるハチミツが急に結晶化したので、その理由を知りたくて蜂蜜について調べてみました。ついでにいつも食べているものなので成分や効能などもまとめてみました。
ハチミツとは
はちみつは働き蜂と女王蜂の餌として巣に貯蔵するものです。作られる過程は働き蜂が花から蜜を吸い体内でミツバチの持つ酵素と合わさってハチミツになります。しかしこのままでは水分が60%と高いので巣に持ち帰り蓄えて羽根で風をあてながら水分を20%くらいになるまで飛ばします。この濃縮されたハチミツを巣から取り出したものが販売されている加工されていないハチミツです。
はちみつの成分
成分は糖質が約80%(果糖50%、ブドウ糖40%、その他糖10%)で残り約20%が水分で他に微量のビタミン、アミノ酸、有機酸、酵素、ミネラルなどが含まれています。
ハチミツのカロリーは砂糖の384kcal/100gと比べ、294kcal/100gとカロリーが低く、さらにハチミツは砂糖の約1.3倍の糖度があるため、砂糖と同じ甘さを得るとカロリーはより少なくできます。
pHは3〜5の酸性(お酢はpH3程度)ですが酸味を感じないのは甘みが強く、まろやかな酸味であるグルコン酸が主体のため酸味を感じません。
ハチミツは自身が持つ酵素の抗菌作用や高い糖分により常温保存が可能で腐ることありません。(成分無調整の物に限る。)
はちみつの分類
純粋はちみつ
何も加えていない天然のハチミツ
精製はちみつ
天然のハチミツから匂いや色を取り除いたもの
ジュースなどの飲料に使用されます。
加糖はちみつ
純粋はちみつに水飴などを加えたもの
ローヤルゼリー
若い働き蜂の分泌液で女王蜂や幼虫の食べ物でハチミツと花粉を原料にして作られ栄養効果が高いのが特徴です。
プロポリス
ミツバチが採取した樹液にミツバチの分泌液を混ぜたもの。ミツバチは巣の入り口などに塗り外敵の侵入や細菌の繁殖を抑えるために使っています。
ミツロウ
ミツバチが分泌した巣の原料。食べることもできますがろうそくやクレヨンの原料に使われます。
ミツバチ花粉
ミツバチが蜜を集めている間に体についた花粉。はちみつをともにミツバチの食料となり重要なタンパク源。これがないと女王蜂は産卵ができない。
はちみつの種類
ハチミツは花の蜜により味色風味が変わります。日本に古来からいる日本ミツバチは色々な花から蜜を集めますが西洋ミツバチは沢山咲いている花の蜜を集める性質があるため色々な種類の蜜を集めたり、1種の蜜を集めたりします。
百花蜜
マルチフラワー、ミックスと呼ばれる何種類もの花の蜜からできている。一般に販売されているハチミツ。
甘露蜜
樹液などをミツバチが集めたもので濃い黒色をしている。
単花蜜
一種類の花の蜜から採れたはちみつ。花の種類により匂い、味、色などが異なる。
花系/クローバー、レンゲ、ひまわり
フルーツ系/レモン、みかん、りんご
ハーブ系/ラベンダー、タイム、ローズマリー
その他/コーヒー、そば、松、栗、アカシア、マヌカ
アカシア、レンゲ、フルーツ系は癖が少なく使いやすいため手に入れやすい。
はちみつの色と形状の違い
天然に何も手を加えていないハチミツは黄色みかかった色をしていますがこの色は含まれるミネラルが少ないと薄くなり、多いと濃い色になります。
ハチミツ自体の固さは糖類と花粉の量によって変わり、サラサラしているものは少なめでトロトロしているものは多めに含まれます。(水分量が少ないとトロトロします。)
はちみつの効能
お腹の調子を整える。
ハチミツに含まれるグルコン酸やオリゴ糖などが善玉菌のエサになり活動を促します。
疲労回復
果糖、ブドウ糖は単糖類のため、消化後分解される必要がないためすぐに吸収されエネルギーとして使用できます。食べてから約20分でエネルギーになるためマラソンなどの持久スポーツの飲み物でよく使われます。
咳止め
有機酸の殺菌力や酸性のため菌の増殖を抑える効果があります。また高い糖分により喉についた細菌が水分を失い増殖できなくなり死滅する効果もあります。飲むことでのどに吸収されます。
傷の治りを良くする
傷に塗ると有機酸の殺菌力や酸性により感染を防ぎ、糖類による保湿性効果でリンパ液の排出が促され傷の修復が早くなります。
料理での使い方
砂糖の約1.3倍の糖度があるため同じ甘さでもカロリーを低くすることができます。
ハチミツに含まれる成分がアミンやアンモニアなどの臭い成分と結合して揮発を抑えるため肉や魚の臭みを抑えることができます。
肉に浸透しやすく性質があるため糖質による保湿効果により加熱しても肉の収縮を抑えて固くならず、しっとりとさせることができます。
ハチミツは高温だと甘みを感じにくく、低温だと甘さを感じやすい性質があります。
天然のハチミツは抗菌作用があるため食材が傷みにくくなります。ただし加熱をして60度を超えると酵素などが減少するため、抗菌作用を期待するのであれば加熱はしてはいけません。(輸入はちみつはコストダウンのために加熱をして水分をとばしているため、もともと酵素が少なくなっています。)
ハチミツ特有の風味が発酵食品との相性がよく合わせると風味が増します。
砂糖、みりんの代わりに使えてハチミツだけで料理に甘み、テリ、香ばしさが増します。
はちみつの注意点
ハチミツのラベルにも書いてありますが1歳未満に乳児には与えてはいけません。
ハチミツにはボツリヌス菌の胞子が含まれていることがあり、通常はどんなに体調が悪くても免疫作用により菌が繁殖することはありませんが消化器官や腸内細菌が未発達な乳児場合は体内で繁殖してしまい「乳児ボツリヌス症」になることがあるため食べさせてはいけません。またハチミツに含まれるボツリヌス菌は通常の調理では死滅させることはできないので外食時や飲み物には気をつけなければならない。
はちみつの結晶化について
ハチミツは低温になるとブドウ糖が白く結晶化します。初めは小さな結晶できそれが核となり全体に広がっていきます。結晶はブドウ糖の多いハチミツは進行が早くキメの細かい結晶になりますが果糖が多いハチミツは結晶が起きにくい性質があります。
結晶は糖分の割合だけで決まるものではなく他の成分も関係しているのでハチミツの種類によって結晶の出来かたも違っていきます。
キメの細かい結晶は食べてもあまり気になりませんが、結晶の出来る速度が遅いハチミツは結晶が荒くくなりやすいため食べるとジャリジャリとした舌触りになり好まれません。より結晶が大きくなるハチミツはパンなどに塗るとガリっとする食感が好まれることもあります。
結晶化の直し方、防止
直し方
結晶化の直し方は単純で低温になることでブドウ糖が結晶化するため容器ごと湯煎などで温めれば結晶は溶けて無くなります。しかしハチミツは粘度があるため湯煎をしても温まりが悪く結晶が溶けにくいです。一番早い方法は容器ごとレンジで加熱することですがレンジでの加熱は高温になりやすく有効な成分を破壊しやすいため国産蜂蜜には行わないほうがいいでしょう。また加熱する料理であれば結晶化していても調理中に溶けるので問題はなく、加熱しない料理でも一度結晶を溶かしたハチミツに他の材料を混ぜるとブドウ糖の濃度が下がるので結晶化しなくなります。そのためハチミツを料理で使う場合であればあまり結晶を気にすることはありません。
防止
結晶を防止する方法は低温にしないことが第一となります。ハチミツは常温保存が可能な食材のため冷蔵庫にいれる必要はありません。冬は室温で結晶化することがありますが毎日使うのであれば温かい部屋で保存していれば結晶はできにくいです。またブドウ糖の少ないハチミツを選ぶことでより結晶化しにくくなります。
どうしても結晶化してしまう場合は多量なハチミツを湯煎で温めるのは時間がかかるので、ある程度小分けして湯煎で温めやすくすれば使いやすくなります。
経験としてハチミツに水分が入ると結晶化しやすいので使用するときに水分が入らないように気をつけることで結晶化しにくくなります。
下の画像のようなハチミツのボトル容器で温かい飲み物や調理時の鍋などに直接ハチミツを入れる時ハチミツの量が少ないと逆さまにした時にハチミツが落ちる前に蒸気がボトル容器内に入ってしまい次の日の朝にハチミツが結晶化していたことがありました。
そのためボトル容器の場合は逆さまにした時に注ぎ口にハチミツが落ちてから蒸気が入らないように使い、瓶詰めの場合はスプーンなどが濡れていないかを確認して使えば結晶化はなりにくいです。
輸入ハチミツについて
ハチミツには酵素などが含まれていますが、これらは熱に弱く加熱することで分解され抗菌作用などの効果が減少してしまいます。手の加えていないハチミツは熱を加えていないため酵素が残り抗菌作用が強いのですが、輸入された一部のハチミツはミツバチが羽根で風をあてて水分を飛ばす前に取ってしまい、人工的に加熱をして水分量を60%から20%以下にしています。そのため輸入をされる前に加熱をしているので抗菌作用などはあまり残っていません。ハチミツの健康効果を期待するのであれば全く加熱していない国産のものを選んでください。ただし酵素などの成分が残っていないとはいえハチミツ特有の効果はあるので砂糖と同じではありません。
加熱しているかの目安としては価格が安く、色が琥珀色のように濃いものです。主に安い海外はほとんど早めに蜜を取り加熱したもののようです。色は天然のものは黄色味がかった色をしているので琥珀色で粘度が高いものは加熱しています。
おわりに
結晶化のことを調べたはずですが思いのほか話が長くなってしまいました。
結晶化は完全に防ぐことはできませんが気をつけて入れば軽減することはできるので試してみてください。